はじめに|突然の相続で、なにをすればいいのか分からない方へ
身近な人が亡くなると、悲しむ間もなく、さまざまな手続きを行う必要があります。
この記事では相続に必要な手続きを、
- 公的な手続き
- 相続
- 家のこと
に分けて実体験から解説していきます。
相続後に必要な手続きの全体像【最初に把握すべきこと】
相続が発生すると、さまざまな手続きが必要になります。
まずは、全体像を把握することが大切です。
亡くなった直後に必要な公的手続き
これは、相続ではありませんが、亡くなった後必ず必要な手続きです。
主なものとしては
- 死亡届の提出
- 年金の停止
- 健康保険など公的保険の資格喪失
- 各種公的証明書の手続き
などがあります。
これらは主に、市区町村役場や年金事務所で行う手続きです。
相続とは別の手続きですが、放置すると後から問題になることもあるため、
比較的早めの対応が必要です。
※具体的な手続き等は、お住いの自治体や年金事務所で必ず確認してください。
相続に関する手続き
ここからが、いわゆる「相続手続き」です。
相続では、
- 遺言書があるかどうか
- 誰が相続人になるのか
- どのような資産・負債があるのか
などを整理したうえで、必要に応じて相続放棄や相続税の申告を行います。
相続には、期限が決まっている重要な手続きも含まれています。
そのため公的手続きを行う傍ら準備をはじめます。
家や持ち物をどうするか(家じまい)
今後使う予定がない場合の、実家などの不動産や家財などの扱いも課題になります。
- 誰も住まないのか
- 家を残すのか
- 手放すのか
といった判断は、相続手続きと密接に関係してきます。
ただし、相続税の申告等に影響がなければ、
相続が発生したからと早急に結論を出す必要はありません。
家じまいは相続というより今後の人生をどう考えるかという見地から、
落ち着いて考えることが大切です。
手続きを同時に全部やろうとしないでください
相続発生直後は、「早くやらなければければならないと」感じがちですが、
落ち着いて手続きは進める必要ががあります。
- 公的手続き
- 相続の整理
- その後の実家のこと
これを意識するだけで相続の負担は大きく減ります。
亡くなった直後に必要な公的手続き
※相続ではありませんが、最初に必要になります。
相続が発生すると、「相続の手続き」を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、実際には、相続とは別に、亡くなった直後にやるべき公的手続きがあります。
放置すると後から問題になることもあるため、早めの対応が必要になります。
死亡届の提出と火葬・埋葬の手続き
死亡届は原則として死亡の事実を知った日から7日以内に提出する
必要があります。
多くの場合、葬儀社がサポートしてくれるため遺族が全て対応するケースは
多くありません。
年金の停止と未支給年金の確認
亡くなった方が年金を受給していた場合、年金の停止手続きが必要になります。
手続きをせずに放置すると、過払いになることがあり後から返還を求められるケースも
あります。
厚生年金は10日以内に行うなどの必要があります。
年金の停止や未支給年金の確認は、年金事務所で行うことができます。
※具体的な手続き方法や必要書類は、お住いの地域の年金事務所で必ず確認してください。
健康保険・介護保険など公的保険の資格喪失
亡くなった方が加入していた健康保険や介護保険についても、手続きが必要です。
- 保険証の返却
- 医療費・介護費用の清算
- 葬祭費などの給付確認
分からない場合は市区町村役場で確認をして手続きを行います。
その他、早めに確認しておきたい手続き
状況によっては次のような手続きも必要になります。
- 各種公共料金の名義変更
- 契約サービスの解約
- 郵便物の転送手続き
これらの手続きも生活に直結する場合があるため、早めの対応をしていきましょう。
公的手続きは焦らずやれば大丈夫です
ここまで見てきた公的手続きは、役所などで確認をしながら行えば専門知識がなくても比較的
対応できるものがほとんどです。
すべてを完璧に行おうとする必要はありません。
- 何が必要か把握すること
- 分からないことは役所に確認すること
公的手続きが一段落したら、次は本格的に相続手続きの整理に進んでいきましょう。
相続手続きとしてやるべきこと
公的手続き並行して進めるのが相続手続きの整理です。
相続の手続きは一つひとつは難しくなくても対応を間違えると取り返しがきかないことが
発生する場合があります。
ここでは、相続においてやるべきことを、重要な順に整理します
遺言書があるかどうかを確認する
相続手続きを始める前に、まず確認したいのが遺言書の有無です。
遺言書があるかどうかで、
- 相続人同士の話し合いが必要か
- 財産の分け方をどうするか
といった点が大きく変わります。
特に、自筆証書遺言が見つかった場合は、家庭裁判所での確認の手続きが必要になる
ケースもあります。
※見つけても、その場で開封しないよう注意してください。
相続人を把握する
次に行うのが、誰が相続人になるかを把握することです。
- 配偶者はいるか
- 子どもはいるか
- 兄弟姉妹はいるか
といった洗い出しを行い、相続に関わる人を把握していきます。
資産と負債の全体像を整理する
相続では、資産だけでなく借金などの負債も引き継ぐことになります。
そのため、
- 預貯金
- 不動産
- 有価証券
- 借入金・ローン
などを洗い出し、資産と負債の両方を確認します。
「何があるのか」を把握することが重要です。
期限がある手続きがあることを確認する
相続には、期限が決まっている重要な判断が含まれます。
代表的なものが、
- 相続放棄・限定承認(原則3か月以内)
- 相続税の申告(原則10か月以内)
があります。
早急に結論を出す必要はありませんが、
期限があることを意識して判断をする必要はあります。
焦らずやっていけば大丈夫です
相続手続きには、期限が決まっていて早めの決断がいるものがある一方で
状況をみながら判断できるものありそれが混同していてとかく焦りがちになります。
焦って進めるよりも情報を整理しながら判断したほうが、
トラブルを防ぎやすくなります。
迷った時は専門家に相談する
相続の内容によっては判断が難しいケースもあります。
そのような場合はなるべく早い段階で専門家に相談することで、
後のトラブルを減らせることにもなります。
家と家財をどうするか
ー 相続後に考える「家じまい」の入り口 ー
相続の話が落ち着くと、多くの方が次に直面するのが家や家財をどうするか
という問題です。
特に実家の持ち家がある場合、その家をどうするかということを
考えないといけません。
実家や持ち家がある場合に考えること
相続によって家を引き継ぐとなると、
- 誰か住むのか
- 誰も使わないのか
- 賃貸や売却にだすのか
といった判断が必要になります。
とはいえ、気持ちの整理もまだついてない状態であることがほとんどですので、
まずは「どういう選択肢があるかを考えておく」ことを優先してください。
家を放置するリスクを知っておく
一方で、家を長期間放置することはリスクもあります。
- 空き家としての管理が必要
- 固定資産税などの負担は続く
- 老朽化による近隣トラブル
「今すぐというわけではないが、考える必要はある」という位置づけで捉えておく
必要があります。
家じまいは「処分」ではありません
家じまいという言葉から、
「申し訳ないこと」「すべてを手放すこと」を
イメージする方も多いかもしれません。
しかし、家じまいというのは単に片付けるというような話ではありません。
- 誰の人生に関わるか
- これから先、何を残すか
といった、人生を整える作業でもあります。
家財整理は無理に急がなくてもいい
家の問題と合わせて、家財や思い出の品の整理も発生します。
- 心の整理がついてから
- 相続の方向性が見えてから
進めたほうが、後悔が少ない判断になりやすいです。
家じまいは「相続の後処理ではなく」「次への準備」
家じまいは相続の一環ではありますが、単なる後処理ではありません。
- 次の世代を何を残すか
- 何を引き継がせないか
を考えることでもあります。
相続を通して、これからの人生をどう整えていくかを
考えると捉えてみてください。
具体的な家じまいの進め方については、別の記事で解説していきます。
相続直後に「すぐやらなくていいこと」
相続となると「すぐやらなければならない」「何か動かなければいけない」という
気持ちになりがちです。
しかし実際には無理してすぐにやらなくていいことも多くあります。
ここでは、焦りや不安からやってしまいがちな行動を整理します
不動産をすぐに売る判断をしなくていい
相続財産に家や土地が含まれている場合、
「とりあえず何とかした方がいいのでは」と考える方もいます。
ですが、
- 相続関係が整理できてない
- 家の扱いについて話し合いが済んでいない
状況での判断はあとから後悔につながることもあります。
金銭面でやむを得ない場合を除いて、情報を集めてから判断するで十分です。
相続税を過剰に心配する必要はありません。
相続税という言葉から「多額の相続税がかかるのでは」と不安になる方もいるかとおもいます。
しかし実際には、
- 相続税がかからないケースも多い
- 10か月以内の期間がある
という点を知っておくことが大切です
「自分が対象になるかどうか」を確認すれば問題ありません。
親族全員で結論を急いでだそうとしない
相続人が複数いる場合、早めに話をまとめなければと考えがちです。
しかし、情報が整理できていない段階での話し合いは、
- 感情的になりやすい
- 誤解や対立を生みやすい
という側面があります。
話し合う前に整理することがとても重要です。
完璧にやろうとしなくて大丈夫です
相続は多くの人は数回あるかないかという経験です。
- 制度をすべて理解する
- 一度で正解を出す
必要はありません。
分からないことがあっても、一つずつ整理して進めれば問題ありません。
相続は「片付け」ではなく「整理」です
相続は、単に手続きを終わらせるための作業ではありません。
それは、これから先の人生をどう考えるかを見つめ直す機会でもあります。
最後に
相続は一律に答えが出せるものではありません。
家庭の事情、地域の慣習、地域の経済といった要素が複雑に絡んできます。
はじめは自分でやってみようと、思うことは悪くないのですが、
少しでも手こずるような状況になりそうだ感じるような場合には、繰り返しになりますが
迷わず専門家に相談することをオススメします。
